のびあがるもの

　のびあがるもの　頭（こうべ）を上げ
　生まれくるもの　光へ向かい

　　今　始まる
　　今　始まる

　朽ち果てるもの　頭（こうべ）を垂れ
　滅びゆくもの　光に焦がれ

　　今　終わる
　　今　終わる

　燃え上がるもの　頭（こうべ）を振り
　湧きあがるもの　光を求め

　　今　輝く
　　今　輝く　







　　

　むこう側へ

　そこに　在るのか無いのか　わからない事に
　独り　牙をむきだして　立ち向かう勇気に

　　誰の為にでもなく　君は誇らしく
　　いつも　むこうを見ようと　そこに立っていた

　それが　白でも黒でも　イケナイ事でも
　独り　愛をさしだして　与える勇気に

　　人の世の全てを　君は引き受けた
　　いつか　むこうへ行こうと　声を上げていたね

　　　君が　見たがっていた　空を飛ぶ
　　　そこには　風が　風が　無表情なうたをうたっていた
　　　でも　そのうたは　もう　聴こえない　聴こえない

　　　　　時に　私の手をとって
　　　　　朝の光に　抱きしめて

　　　君が　欲しがっていた　愛が消え
　　　そこには　何が　何が　見えただろうか
　　　崩れゆく　その瞬間に　　わからない　わからない









　水晶の舟
　
　　声をひそめ　あなたの吐息に　漂う
　　ゆるやかに　流れて消えた　舟をみた

　　私の胸に　水晶のきらめき
　　みえかくれする　愛のせて　また遠ざかる
　
　　突き抜け　身もだえ　高らかに　舞い上がれ
　　麗しきその身を　焦がせ　永遠に　詩え