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Written by
Chiaki Yoshihara

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父の選挙(ロック的考察)

3月31日ショウボートのライブの翌日 私は長崎へ発った。
頼まれるでもなく 選挙となると張り切ってしまう。
選挙が好きだから。 父を尊敬しているから。

新人多数立候補 定員削減の中 三期目の油断が
今回の選挙を厳しいものにした。
選挙のやり方は様々だが 大多数がお金を使う選挙だろう。
バイトを雇い 若い学生に 宣車で手を振らせ 電話をかけさせる。
父の選挙は お金を使わない選挙。 バイトは雇わない。
ひとりひとりの意志の力が選んだ 純粋な代表者である。
家族やボランティアの方々の 負担は増えるが 皆の顔は輝いていて
心からの応援 本物の声が そこにはある。

私の尊敬する人物は皆
人に媚びを売らず 信じた道をまっすぐに歩いてきた勇者だ。
キースリチャーズに学び パティスミスに守られ
ショーケンに心踊らされ 埴谷雄高に導かれてきた。
ロックな生き様にあこがれ 立ち止まっては 教えられた。
父のやり方は ロックである。
挑戦しつづけ 夢を見つづけ 実現する力をもっている。

選挙戦最終日 打ち止め演説で 父は亡き祖父のことを話した。
祖父の不在を これ程強く 父が感じていたのかと 驚き、
私には完璧と思える父の 弱さをみた。
祖父は 静かなロッカーであった。

団体 組織 企業の力に頼らない 一匹狼な父は
これからも 汚れなき政治家として 正義の道を突き進み
戦いを挑み続けるだろう。

私も 父に負けない 真のロックを うたい続けたい。


                 1999年 6月 父の日に思う