MUSOU
Written by
Chiaki Yoshihara

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イキツケ

BYG 渋谷
トラブルピーチ 下北沢
ラグタイム 千歳烏山
フェリス 荻窪
スティッキーフィンガーズ 町田
ジュライ 沖縄
FANFAN 長崎
パニックパラダイス 長崎
拾得 京都
ダブアダブ 京都

高校生の頃から、通っていたのはFANFAN 。
最近、ロックの店パニックパラダイスで演奏する機会をいただいたその店長土山さんが、マイルスを愛し、ジャズを愛し、つくったというジャズの店。生演奏もやっている。 改装前15年位前か、、今よりもっと妖しくて、赤いライトのトイレ、穴蔵のような座席が、高校生の私にはとても刺激的だった。大きなモニターでボブマーレーのライブをみた。まだ、マイルスのことは知らなかった。
お気に入りは、ジンライム。

大学が3年から渋谷だったので、20歳の頃から8年間、バイトした店道玄坂BYG。
当時は、トイレの匂いがきついスタジオで昼間から練習して、夜12時迄働いた。本を読んだり、飲食も自由で、とても気楽にやってた。店長が変わって、店の雰囲気もかわり、スタジオのあとに、昔のまま復元したというライブスペースをつくって、有名アーティストのライブをやってる。
アメリカ音楽の店だから、ボブディラン、二−ルヤング、オールマン、レイナ−ドなどのリクエストが多く、 ストーンズは3枚しか置いてなかった。相変わらず、ビートルズは一枚もないのだろうか。仕事中に聴いた数えきれない音楽は、確実に私のルーツミュージックとなっている。
お気に入りは、サザンカンフォート。ジャニスがそこに居そうな店だ。

BYGの仕事仲間は、音楽やってる人、すきな人の集まりで、千歳烏山のラグタイムでも働いていた、 コテツこと佐々木哲也もその一人。彼は、ブルースハ−ピストとして、国内外で大活躍している。
ラグタイムは千歳烏山の駅前にあり、朝までセッションができる店だった。マイルスやコルトレーン、浅川マキ、、 ジャズがどでかいスピーカーから流れる。一度、クリスマスのイベントに出演したこともある。
お気に入りは、ビールと砂肝。

BYG仲間とは、下北沢で飲むことが多かった。トラブルピーチの金沢さんは、長崎の友だち(実は実家の前の駄菓子やの息子) を紹介してくれた。大きな机をひっくりかえしたり、でかい声でうたったり、トラブルの多い客だった。
朝までたっぷり飲んで、下北のホームに立つ、その繰り返し。。
唄いたい、唄いたいと、もがいていた頃。最も頻繁に通った店。
お気に入りは、アーリ−タイムスをボトルで。

国分剛も、BYG仲間で、世界を放浪したのち、京都で数年、今は沖縄国際通りのジュライをやってる。
ここでは、沖縄の人たちのあたたかな気質と、テキーラと泡盛で、ハメをはずして、翌日の大揺れ飛行機の中で、 もう酒はやめようと 心に誓った。母親との旅行中、最も親不孝な出来事。旅に出ると飲み過ぎる傾向にあるようだ。
お気に入りは、テキーラ。

BYGを任されていたこともある、私のパートナーだった人が荻窪に住んでいて、フェリスという店にいる。
別の人生を歩いているけど、今でも、たまに飲みにいく。
奥の小部屋は屋根裏っぽくて好きだった。
お気に入りは、マルガリータ、アレキサンダー、レバーペースト。

町田に移って、外に飲みに行くことを辞めていたのに、仕事の締め会のあと、
ふらっと立ち寄って、朝までひとりで飲んで以来、毎日のように、通った店スティッキーフィンガーズ。
食事も酒も最高に旨い。中華料理屋をやっていた店長の本格的な料理と、誇り高きバーテンダーのつくるお酒。 分厚いカウンターは一枚板で、帰りたくなくなる。
お気に入りは、オムライス、常温のギネスビール。

京都には親戚がいて、それも、ただ者ではない。一時は自主FMも開設していたレゲエ和尚。 木屋町を夜歩くと、若い子が挨拶しに来るような、レゲエの重鎮。 彼が、まだDJをやっていたころ、ダブアダブに連れて行ってもらった。
DJのセンスでこんなに人が集まってくるのか、、と衝撃だった。
予告なしのパフォーマンス、ふらっと来た客が帰らないから、どんどん増えていく。 京都に行くと、夜の時間には困らない。いきつけの店を次から次へと。。
お気に入りは、ピニャコラーダ。

京都は、第二の故郷と思っている。ブルースにハマっていたころ、拾得にいった。 ブレイクダウンがまだ健在だった。服田洋一郎は今でも私の一番のギタリスト。 高円寺のJIROKICHIでみるのもいいけど、いつか、磔磔や拾得でみたい。
酒蔵を改造したライブハウスは酒も旨いし、玄米御飯の定食も、おでんも、旨い。 ちょっと、繁華街から離れているので、不便だけど、時間が許せば、ゆっくり飲みたい店。
お気に入りは、ワイン、おでん。

パニックパラダイスでのライブはいつも、飛び込みでやるので、スリル満点。
ここでの、フランス人客との接触が、ヨーロッパ行きのキッカケだった気がする。 はじめの1曲は黙ってきいていた彼らも、バースデイパーティの最中だったようで、マイペースで話しはじめた。 聴いてないのか、、、と思いつつも、こちらも、マイペースで唄った。 ライブが終わって、カウンターで飲んでいたら、数人から声をかけられ、興味をもってもらったようだった。 言葉がわからなくても 伝わっていることが、うれしかった。
お気に入りは、カンパリのロック。



最近、また、お酒が旨くて、睡眠時間を削って飲んでいたりする。
人が好きになってきたからかな。話をきくのも、話をするのも、楽しいと思えるようになってきたからかな。