GHOST 最新 LIVE 報告

1998年11月22日(日)復活ライブ 稲生座

  1. Hello
  2. 丘の上から
  3. とりのうた    w)リコーダー 川原昌子
  4. 夢心地なアタシ  w)ピアノ 川原昌子
  5. フラフラ
  6. GHOST SONG
  7. ハカイ      w)ピアノ 川原昌子



《GHOST》。それは、稲生座の花咲く夜に顕われし
ほのかに光る幽霊たち。

GON (Guitar. Hormonica)
そのHarpは、楽しき森の樹々の小枝を鳴らす
素直な風のよう。
無垢に澄みわたるその弦にて、二柱の女の狭間に立つ。

MON(Bass)
その温かい音色。底打つ丸い大地の響きが、
幽霊どもの、こごえる調べを包みこむ。
いとやさしき、かのアルカイックの微笑。
穏やかにして凄まじき、救いを、
その眼(まな)に、見つ。

CHIAKI (Vocal. Guitar)
ジプシーの女。彼岸の叫び。彼の女こそ、
GHOSTの歌声。

炎の闇のように、小鳥のさえずりのように、月明かりのように。

その姿を、天使とも戦士とも、旅人とも人のいう。されど、
その歌声は、GHOST。
朱の哀しみ。蒼の孤独。凍てつく鼓動をたずさえ、
かりそめの、此の世をさすらう

《GHOST》。

『GHOST・1stLIVEに寄せて』by Y.K.



 僕はあるバンドのドラマーである。ここではバンド名をあえて伏せておくことにする。
 その日、彼女はオーバーサイズのTシャツの似合う、きゃしゃな身体の天使だった。いや、天使とは言い難かった。むしろ戦場に立つ一人の戦士だった。
 新たなプロジェクトの初日というのは、演奏者はもちろんだが観る方も緊張する。通常のライブより若干少なめのセットだったが、静かな心地よさを残してライブは終わった。その時「ああ、始まったんだな」と思った。
 一度、列車を降りて、彼女一人の力で新たな列車を探し、また出発をする。口で言うのは簡単だがこれはとても勇気がいるしリスクも大きい。まず一つ目の壁は乗り越えたと言えるだろう。列車が動き出すというのは止まっているよりも困難が多くなる。この先、様々な壁が彼女を襲うだろう。しかし戦士である彼女は必ずそれを乗り越え先へ進むことだろう。頑張ってほしい。
 先ほど「彼女一人の力」と書いたが、それには多少、語弊がある。「GHOST」はバンド形態でありソロプロジェクトではないからだ。つまり、残りのメンバー二人の力がなくては列車を進めることは出来なかったということだ。しかし誤解を恐れずに言わしてもらうと、彼女の歌が「GHOST」であり、「GHOST」は彼女のことを指すと、少なくとも僕は思っている。「歌を聴かせる為の手段」であり、「手段の為の歌」ではないからだ。二人のメンバーに怒られるのが少々怖い気もするが・・・。
 実は僕も今回のライブには数曲、サポートとしてドラムを叩く事になっていたのである。しかし彼女の、本能ともいえる歌を聴かせる為の妥協のない考えにより、今回の僕の出番はなくなった。少々残念だったが、歌のための決断。これが出来る彼女はすばらしいと思う。それにドラマーというのは、一緒にステージに立つと、ボーカリストの「背中」しか見ることが出来ない。この日は客として行った為に、僕は正面から彼女を見ることが出来たわけである。この場を借りてもう一度、拍手をおくりたい。
 共演をするという話が出たので、最後に書かせてもらう。
 バンドのメンバー言わば、戦場における「戦友」である。戦友というのは力を合わせて道を切り開き、前に進むのだが、戦場において「最後の敵は自分」とすればその手前はその「戦友であるメンバー」ということになる。しかし先にも書いたが「ボーカリスト」と「ドラマー」というのは「目的と手段」という大きな違いがある。手段のための「バッキング」を担当する者は目的を生かす為に、自らを葬ることも時には要求される。僕はそれが出来るドラマーでありたい。
 彼女の「歌声」にはそれだけの魅力がある。応援してるよ。

MATT

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